みだれ 八橋検校作曲 沢井一恵演奏

2016/05/16


曲名は、「みだれ」のほかに、「乱輪舌」とも、単に「輪舌」ともいう。
また「十段の調」ともいうが、山田流では十二段に分ける。
古くは「輪舌」正しくは「輪説」と呼ばれた。
輪説の本来の意味は、雅楽の箏の演奏法に関する用語で、普通の本格の演奏法(本説)に対し、破格の演奏法を輪説といった。
普通は閑掻(しずがき)か早掻(はやがき)の一色で演奏するのに、輪説では、それらを混用し、その他普通使わない「連(れん)」その他の手法を使う。
それが、曲名に使われたのは、筑紫流の箏曲からで、中国の明時代の箏曲などの影響があったであろう。
それが八橋検校によって編曲されたが、今日演奏されるものは、八橋の高弟北島検校によって編曲されたものである。
「みだれ」は、段物の一種であり、例外的な段物である。
段物とは、箏の器楽曲で、格段の拍子数(拍数)が52拍子(現在の数え方では 104拍)から成り、段が進むに従って、次第にテンポを速めて演奏するもので、「六段の調」が最も有名である。
ところが「みだれ」は、その名が示す通り、各段の拍数が一定でなく、乱れている。
また、テンポも時によって臨時に、不規則に変化する。
そこにこの曲の面白さがある。

箏:沢井一恵

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