融(とおる) 石川勾当 作曲
2016/05/17
能「融」をもととした曲です。後ジテの融の出現からを地唄にした、無常の世の月影の幽玄な舞です。
地唄「融」は、後場、颯爽とした源融大臣の登場したサシ謡の後半から終わりまでの謡曲の詞章をそのまま用いて作曲してあります。前弾きには三味線組歌「揺上(ゆりかん)」の手が用いられています。
融の大臣の月の夜遊を詩的に舞います。融が月の都へと帰って行った後には、またもとの涸れはてた六条河原の院に、夢からさめた旅僧がたたずむのでした。優雅な融の姿も、美しい庭園も、みな無常の世の月影が見せた夢なのでした。
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「芦垣美穗リサイタル」より
琴=香田律子
三絃=菊原光治、芦垣美穗
尺八=善養寺惠介
2012年5月5日 国立劇場小ホール